たとえクローゼットが一杯であっても、服が足りないと心配になること。このあせりは私を不安定にさせ、やがて私はあせりに対して反発するようになった。
 今の環境では、よくショッピングがストレス解消の手段であり、幸福感をもたらすと言 われている。しかし、幸福感をどのように定義すればよいのか。また、欲求や欲望に対してショッ ピングが本当に効果的かどうか、どのように判断すればよいのか。さらに、積極的に消費してい るのか、それとも受動的に消費しているのかを知るにはどうしたらいいのだろう。
 日常生活の中で、私たちは自らのアイデンティティをどのようにして獲得しているのか。私は写真を用いてこの問いに向き合いたい。
東京工芸大学写大ギャラリー、2024フォックス・タルボット賞受賞写真展、2024
東京工芸大学中野キャンパス1号館閲覧室1、3年前期展、2023