ニュースを見る際に、発信元や執筆者・記者たちの背景を考えることが必要だと思う。私の意見に対して、友達が、「誰しもそう思う必要がないし、そう思うとも限らない」と反論した。両極に分かれた解釈のあいだに、何が存在するのかと好奇心が湧いた。
 その後、現像上がったネガフィルムのカットを見ると、「山」のように見え、続いて「富士山」を連想した。それからなぜ山といったらすぐに富士山が思い浮かぶのかについて考え始めた。
 写真というメディウムを通じて、同一な概念を異なる視点から見ることで、自分の心のうちにイメージが生まれる現象を見直す。本作はその現象を懐疑することで、イメージが固定化された始まりや過程を考え、さらなる側面を探し、単一な視点を打ち破る試みである。
東京工芸大学中野キャンパス1号館4F廊下、3年後期展、2023
好文画廊、11:00-19:00換気します、2024
キャノンオープンギャラリー2、東京工芸大学写真学科セレクション、2024